京都世界遺産PBL科目の授業レポートを更新しました


2015年度より開講しました京都世界遺産PBL科目の授業内容や活動内容を報告します。

京都世界遺産PBL科目は5月30日に、全科目合同のオリエンテーションを実施しました。
各科目、順次活動をスタートしております。各科目での学生たちの学習内容をぜひご覧ください。
(それぞれの寺社×大学名をクリックすると、進捗レポートをご覧いただけます)



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公益財団法人 大学コンソーシアム京都 単位互換事業 担当
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清水寺×立命館大学『京都有名寺社城の境内の見どころを巡るバリアフリー動線の提案』

ここでは、清水寺×立命館大学『京都有名寺社城の境内の見どころを巡るバリアフリー動線の提案』(担当:宗本晋作先生)の授業の様子や受講生の活動をレポートしていきます。

中間発表後の授業

10月24日(土)の中間発表の終了後には、中間発表での感想やコメントをもとに振り返り会を行い、成果発表会と最終成果物である動画作成に向けての打ち合わせを行いました。

動画の作成に向けては、1クラス当たり4分~5分で合計15分程度、使用するBGMの著作権や動画撮影の際の肖像権への配慮などについて注意喚起が行われました。
また、成果物の動画をタブレットで活用する場合の留意点などについても話し合いました。

今後は本格的な動画の撮影、及び制作に入っていきます。どのような動画ができるのか、今から非常に楽しみです。

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中間発表会に向けた準備

10月17日(土)は、キャンパスプラザ京都で中間発表会に向けたプレゼンテーションのリハーサルとを行いました。授業には、担当の3名の先生と清水寺の森清顕氏が参加され、各グループの発表に対するアドバイスを行いました。また、各グループの内容をもとに中間発表会での発表順序の決定や、共通のアドバイスとして、一グループ当たりの発表時間が1分30秒なのでスライドは4〜5枚が適当であることや、中間発表会では原稿を読まないようにすることなどの指示が行われました。

中島グループ「清水寺の極 〜優雅に巡る、望む、知る〜」

中島さん(龍谷大学)のグループは、車椅子ならではの見どころにオリジナルの「スポットシート」を設置することと、そのルートの提案を行いました。先生方からは、車椅子の参拝者ならではの見どころのアピールということなので、「ちょっと遠くから見る(遠いほうがすいている)」、あるいは「車椅子から見上げて建物を鑑賞する」というコンセプトをより明確する方がよいという意見や、スポットシートの活用方法として、ナゾナゾのようにディテールの写真だけをあらかじめ伝えて、それを現地で探してもらうというアイデアもあり得るのではないかという提案も出されました。
また、発表会での発表順は、トリの4番目を飾ることとなりました。

鷲尾グループ「時間距離を抑えた清水観光」

鷲尾さん(立命館大学)のグループは、車椅子の参拝者の負担を考慮した距離、所要時間ともに短縮した参拝ルートの提案を行いました。提案には、車の乗り入れが可能な場所は車での移動も推奨することなどが盛り込まれておりました。今回の報告では短縮可能な具体的な時間数が報告されなかったので、実際にかかる時間を確認するように指示を出されました。
また、発表会での発表順は、2番目に発表することとなりました。

東方グループ「ゆっくりしていってね」

東方さん(龍谷大学)のグループは、清水寺境内の高低差から生じる「疲労度」に着目し、三か所の休憩場所の設置を提案しました。先生方からは、清水寺内に実際にどの程度の高低差があるのかを分かり易く示すこと、介助者の視点も考慮に入れるべきなどの意見が出されました。
また、発表会では、トップバッターを務めることになりました。

岡澤グループ「目線のバリアフリー」

岡澤さん(龍谷大学)のグループは、これまでの境内の調査から、消火栓のある場所が車椅子の利用者にとって見やすいことを発見し、目線のバリアフリーというテーマで、「『此の先何があるか』という心の準備を一目でできるような地図」を作成することを提案しました。先生方からは、プレゼンの中でタイトルの「目線のバリアフリー」のイメージが分かりにくい部分があるので、改善すべき等の意見が出されました。
また、発表順は3番目になりました。

ここでの指摘を受けて、学生たちは1週間後の中間発表会にむけて準備を進めていきます。

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動画のストーリー・構成の草案講評会(エスキス) その2

10月4日(日)の授業では、前回に引き続き、成果物となる動画について、そのテーマや着眼点、ストーリーの講評を行いました。場所は前回と同じく清水寺の円通殿で行いました。

前回の講評では、車椅子でできないことを改善するという視点でなく、車椅子ならではの楽しみを発見し提案とするといった視点にたつこと、その重要性が各チーム共通の課題として先生方から指摘されました。今回はこういった指摘を受けて、各々練りなおした動画の構想について、一チームあたり30分程度の持ち時間で発表を講評が行われました。また、講評の空き時間を利用した境内の追加調査も行いました。

中島さん(龍谷大学)がリーダーを務めるグループ①では、車椅子ならではのスポット、立ち止まれるスポットに関する提案が行われ、三重塔の周辺、舞台の手前、子安の塔の手前など、周囲を見渡し易いポイントが幾つか紹介されました。また、こういったスポットを示す標識や、ズームから引いていくといった映像の表現についても構想が報告されました。これに対し先生方からは、立ち止まり周囲を見渡すというアイディアから、双眼鏡などで少し離れたポイントからゆっくり見学をする、あるいは高台にある境内から京都市内への眺望を楽しむなど、双眼鏡で楽しむといったキーワードも提案の明快さに繋がるのではといった意見が出されました。

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鷲尾さん(立命館大学)がリーダーを務めるグループ②では、舞台でおみくじを引くことなど、行ける、行けないではなく、もう少し具体的な楽しみ方の提案、および自動車椅子の貸出による子安塔の見学、人混みを避けるルート提案に対する調査結果が報告されました。
これに対して先生方からは、提案を整理し、当初から注目している混雑を避け見学するという観点から、参拝ルートとそれに要する時間に着目してはどうかという意見が出されました。チームのメンバーを含めた議論を行った結果、車椅子での見学ルートに送迎車の駐車スペースの提案を盛り込むという方針が決まりました。

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東方さん(龍谷大学)がリーダーを務めるグループ③では、介助者の視点にたち、一緒に楽しむため提案が発表されました。具体的には、起伏のある境内の中で、車椅子をとめ少し休憩できるポイント、車椅子の移動方向との関係で「見返り」になるビューポイントが報告されました。これに対して先生方からは、これらのポイントを提案するための情報として、境内を廻るルートの起伏や車椅子の押しやすさに強く影響する地面の石畳、砂利などのコンディションを調査し、これらを盛り込んだ提案をしては、という意見が出されました。

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岡澤さん(龍谷大学)がリーダーを務めるグループ④では、「目線のバリアフリー」というコンセプトを新たに掲げ、車椅子の目線から景色を楽しむ提案について報告が行われました。舞台、子安塔、音羽の滝を車椅子で楽しむポイントとして設定し、そこでの工夫について提案しました。先生方からは、車椅子での見どころとして手すりや人混みを避けたより細かいポイントの設定をしてはどうかといった意見が出されました。現状のバリアフリールート上でより細かく見どころをプロットすること、それに併せ、ルート上でもルートの左右どちらによっておくべきかといった情報も提供するといった提案として整理されました。

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各グループの発表終了後には、総括および中間報告に向けた作業内容の整理も行われました。また、夕方からはキャンパスプラザでのナレーショントレーニングも行われました。

 

動画のストーリー・構成の草案講評会(エスキス)

8月23日(日)の授業では、清水寺の円通殿で成果物となる動画のストーリーの草稿の講評会を行いました。

本クラスでは、去る7月18日(土)に清水寺で実施した授業で、グループごとに車椅子を使った境内でのフィールドワークを行いました。その後、授業外学習として学生たちはグループ毎にフィールドワークでの調査結果をまとめ、最終成果物となる動画のストーリーの草案の構想を練ってきました。今回の授業は、最初の草案に対する講評会です。

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前回授業でのフィールドワークの様子

授業の最初に、今後の動画作成に向けて、先生から動画編集ソフトの使い方や、WindowsとMacでの作り方の違い等について、レクチャーが行われました。 

続いて実施された講評会では、各グループ40分の持ち時間があり、その時間内で提案内容の発表と先生方からの講評を受けるという形で行われました。

中島さん(龍谷大学)がリーダーを務めるグループ①では、車椅子からの視線では、通常とは建築物の見え方が異なることや、本堂を参拝する際には、段差のある舞台におりなくても、子安塔や音羽の滝を十分に見学できることなどの報告が行われました。また、参道の勾配によっては車椅子の通り道が狭くなる場所があるので、改善を考えるべきではないかなどの提案を行いました。
これに対して先生方からは、車椅子ならではのポイントをより限定的にまとめることで、移動が大変な車椅子にとってより有意義なルートになるのではないか、といった意見が出されました。

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鷲尾さん(立命館大学)がリーダーを務めるグループ②では、当初、一般ルートを逆走するルートの提案を想定していたようですが、現地調査を行ったところ一般参拝客の多さから実際には困難であることから、通常のルートを参拝するにあたって混雑を避けるルートの提案が行われました。また、子安塔や地主神社へのルートは車椅子では通行が困難であるため、特に地主神社へ至る車椅子用のリフトの設置などを提案しました。
これに対して先生方からは、提案にオリジナルの発見を追加しながら、混雑を避けながらも車椅子で楽しめる方法を探ってはどうか、といった意見が出されました。

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東方さん(龍谷大学)がリーダーを務めるグループ③では、隋求堂や仁王門への新たなスロープの設置や、介助者用の休憩スペースをつくること等を提案しました。
これに対して先生方からは、実現可能性の観点からも、清水寺の現在の環境で車椅子利用者が楽しめる方法を考えるべきであり、介助者の視点というアイデアを発展させてみてはどうかといった意見が出されました。

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岡澤さん(龍谷大学)がリーダーを務めるグループ④では、「(車椅子利用者と介助者の)感動の共有」というコンセプトを掲げ、見どころスポットに視線の高さの差異を解消する機械を導入すること、また、他の企業などの動画を活用した事例を調査して、動画内に案内人を登場させたり、テロップを入れたりすることが効果的であるなどの提案を行いました。
先生方からは、大がかりな機械設備を使うのは実現性の面で難があるので、その発想を生かしてもう少し簡便な方法で同じ効果が得られる方法を検討できないか、といった意見が出されました。

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各グループの発表終了後には、先生が総括を行い、今後の作業方針などについて説明が行われました。
また、学生たちは、発表の空き時間などを利用して、前回に引き続き、車椅子を利用して清水寺の境内の追加調査・撮影を行いました。 

次回の授業も清水寺で実施する予定で、各グループは動画の構想を具体化していくことになります。

プロジェクト初日×清水寺訪問

6月21日(日)、清水寺を舞台に活動を展開する立命館大学の宗本先生の授業が行われました。宗本先生の授業は、5月30日(土)の他科目との合同の開講式・全体オリエンテーションが初回の授業であったため、単独で行う授業は今回が初めてでした。プロジェクトの初日に当たるこの日は、清水寺で授業が行われました。

宗本先生の授業のテーマは、「清水寺の新たな見どころを発見し、さらなる『ユニバーサルデザイン』を提案する」こと。
1200年以上の歴史を持つ清水寺は、年間5,000万人(2013年度)を超える観光客が訪れる京都においても、最も人気のある観光地の一つです。清水寺は、音羽山のふもとに築かれており、境内には所々に急な傾斜や石段があります。清水寺では、車いすの方やお年寄りも参拝することができるよう、十数年前より参道を舗装したり、スロープを設置したりするなど、境内のバリアフリー化を図っており、現在では車椅子でも境内を一周できるようになっています。
宗本先生のクラスでは、バリアフリーの観点から、清水寺の境内の中の見どころを探索し、発見した魅力とそれを巡る新しい動線を提案し、最終成果物としてそれを紹介する動画を製作することを目的としています。

授業では最初に、清水寺の森清顕様による、清水寺の歴史と変革についての講義が行われました。講義では、清水寺は1,200年の間、伝統や文化財等を重んじる一方で数々の変革に挑戦してきた歴史があり、バリアフリー化もその変革の一つであったこと、また、度重なる火災や戦乱などに危機を乗り越えられてきたのは、1,200年間欠かすことなく地域の人々を中心に見守られてきた結果であり、今後も多くの方に愛される清水寺にしていきたいとお話いただきました。
森様の講義の後は、宗本先生ご自身が学生時代に海外に留学した際に経験したというユニークな方法で、グループ分けが行われました。今後はこのグループでの活動を基本に行われます。

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その後は、森様のご案内のもと、グループごとに清水寺の境内を見学しました。清水寺のお堂や門は、それぞれ異なる時代に火災などによる消失と再建が行われており、現存しているものでも建造された時期が異なります。建造された時代によってデザインや様式が異なること、また、清水寺独特の姿をされている観音像の紹介や、秘仏にまつわるお話など、清水寺の文化財ひとつひとつについて、丁寧にご説明いただきました。また、境内のバリアフリー化を行った際の考え方やポイントなども、実際に現場を案内いただきながら解説いただきました。

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 境内の見学の後は、早速グループごとに作戦会議を行い、再度境内に調査に出かけたグループもありました。 日本を代表する文化遺産であり観光地でもある清水寺で、知られざる見どころを発見することができるのか、学生たちの今後の取り組みに期待が膨らみます。

上賀茂神社×京都産業大学『京都の世界遺産PBL ~上賀茂神社の魅力を学生の視点で発信する~』


ここでは、上賀茂神社×京都産業大学『京都の世界遺産PBL ~上賀茂神社の魅力を学生の視点で発信する~』(担当:若松正志先生)の授業の様子や受講生の活動をレポートしていきます。

なお、本クラスの学生が、FacebookとTwitterを開設しております。
こちらもぜひご覧ください。

上賀茂神社×京都産業大学クラス Facebook
上賀茂神社×京都産業大学クラス Twitter

賀茂の水まつり

7月26日(日)、上賀茂神社にて「賀茂の水まつり」が開催されました。本クラスは4月から一丸となって、この水まつりに向かって準備を行ってきましたが、いよいよ本番を迎えます。
本クラスでは水祭りの中で、「流しそうめん」、「大判百人一首」、「お茶席」、「奉納演奏(上賀茂神社との共同企画)」の企画を実施しました。

流しそうめん・百人一首

流しそうめんは、上賀茂神社の二の鳥居の前の広場で行いました。学生たちも和服の装いで、準備も気合も十分です。また、流しそうめんのセットは、8mの竹筒など「世界流しそうめん協会」から提供を受けた本格的なものを使いました。当日は、流しそうめん協会のスタッフの方にもお手伝いいただき、名実ともに本格的な流しそうめんを提供しました。 流しそうめんの実施にあたっては、多くの苦労もありました。この「世界流しそうめん協会」への協力依頼や、食物を扱う関係から保健所との調整と届出、また、火気を使うための神社との調整など、あらゆる方面との調整を学生が主体で行ってきました。流しそうめんは、当日の気温が高かったこともあってか行列ができ待ち時間が出るほどでした。老若男女を問わず、外国人観光客の方も参加して、そうめんをおいしそうにすすっておりました。
流しそうめんを行っている横のスペースでは、大判の百人一首を行いました。百人一首は、上賀茂神社や水に関係のある句を中心に、手作りで作られたものです。流しそうめんの順番を待っている子どもたちを中心に盛り上がっていました。

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お茶席・奉納演奏

流しそうめんのあとは、境内でのお茶席です。お茶席は、土屋の東側で行いました。お席のすぐそばにはならの小川が流れており、お茶をいただくのには、うってつけの場所です。このお茶席のお茶は表千家の先生のご指導のもと、神山の水を使った上賀茂神社ならではの本格的なものです。お茶とお茶請けのセットを提供し、目標の売り上げ数には届きませんでしたが、召し上がられた方には満足されていたようでした。
同じ時間帯に、境内の橋殿及び細殿前で奉納演奏を行いました。奉納演奏は、本クラスと上賀茂神社の方でそれぞれ演奏団体を調整しました。本クラスは大学生のサークルを中心に演奏団体を打診したのですが、神社やおまつりの雰囲気にあうかどうかなどを上賀茂神社と相談しながら進めてきました。演奏が始まると多くの方が足を止め、演奏を聴き入っていました。

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神社の行事への参加

水まつりのクライマックスは、絵馬神輿の境内巡幸です。本クラスの学生も男子学生を中心に御神輿を担いで境内を巡幸しました。御神輿を担いだ学生にとっては、普段では経験できない、非常に貴重な機会となりました。

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水まつり後の活動について

 水まつり終了後には、後日に上賀茂神社と振り返り会の打ち合わせを行い、その打ち合わせを踏まえ、反省会を実施しました。この振り返り会、反省会を踏まえ、中間発表会、成果発表会の準備を進めていきます。

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上賀茂神社との最後の打ち合わせ

7月11日(土)、受講生と上賀茂神社関係者との打ち合わせが行われました。

これが水まつり本番<7月26日(日)>に向けての最後の上賀茂神社との打ち合わせとなります。打ち合わせでは、学生がそれぞれ担当しているイベントについて、当日までの準備から、当日の設営やイベント運営、撤収に至るまでのスケジュールの説明や注意事項の確認など、細部に至るまで神社関係者への説明と確認を行いました。学生が行う企画は、流しそうめんやお茶席、演奏の奉納などがあります。当日の実施企画やスケジュールについては、ポスターをご覧ください。

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打ち合わせの後は境内に出て、それぞれのイベントを行う場所の下見を行いました。下見では、実際の現場を見ながら、設営のシミュレーションや参加者の導線などについて意見交換を行いました。

これまで約4か月をかけて行ってきたPBLでの学習や活動の成果がいよいよ試されます。
皆様もぜひ、7月26日(日)は上賀茂神社に足をお運びいただき、新しい「水まつり」にご参加ください!

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水まつりのポスターはこちら

Twitterを活用した上賀茂神社PHOTO SHARE WEEKも実施します。
詳細は本クラスの特設Facebookをご覧ください。
学生が作成した上賀茂神社の紹介動画もご覧いただけます。

上賀茂神社訪問&打ち合わせ

本クラスは、上賀茂神社の公式行事のひとつ、「水まつり」の活性化をテーマに活動を行っています。その「水まつり」は7月26日(日)開催予定であり、本番が近付いているため、クラスの活動も活発化してきています。

5月30日訪問

京都世界遺産PBL科目の開講式・オリエンテーションが始まる前の5月30日(土)の午前中、若松先生のクラスは、水まつりの舞台となる境内の見学と、神社職員の方との打ち合わせのため、上賀茂神社を訪れました。
境内の見学では、まず、4月に訪問した際には他の行事の関係で参拝できなかった権殿を参拝した後、「水まつり」の舞台の一つである新宮神社にて改めて「水まつり」の内容と趣旨の詳細について説明を受けました。その後、実際に「水まつり」で行われる「巫女の舞」を見学しました。

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その後、神社職員との打ち合わせを行い、これまで学生が考えてきた「水まつり」で実施するイベントの素案やアイデアを提案し、実現可能性を確認しました。神社側からはそれぞれの案について、実施の可否や実施する場合に考えられる課題などについてアドバイスをいただきました。水まつりで実施するイベントの方向性が見えてきた一方で、具体化に向けては、まだまだ検討の余地が残っており、提案内容を再整理した上で日を改めて上賀茂神社と協議することとなりました。

学生たちは、午後から開講式に参加したあと、夕方には早速振り返り会を行い、次回協議に向けての課題や役割分担について確認し、次回の授業までに成果をまとめ報告することになりました。

6月13日訪問

6月13日(土)は当初キャンパスプラザ京都で授業を実施する予定でしたが、予定を変更し、上賀茂神社で協議を行うことになりました。学生たちは前回(5月30日)の打ち合わせから、それぞれの役割に応じて活動や調査を行ってきました。今回は、神社との協議の前に、若松先生とミーティングを行い、各自のこれまでの活動・調査の共有と神社との協議事項の確認を行いました。
神社との打ち合わせでは、前回に引き続き「水まつり」で実施するイベントについて意見交換を行いました。また、神社からの要望も受け、大学生や参拝者に対しアンケートを取ることになりました。

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その他には、広報担当の学生が、5月30日の打ち合わせ以降、「水まつり」を広く知らしめるためにTwitterやFacebookを開設し、SNSを活用した情報発信を行っています。

「水まつり」本番まで、あと1か月半。学生たちの活動も本格化してきました。

インタビュー・トレーニング

5月9日(土)は、東寺を舞台に授業を展開している京都市立芸術大学の宇野先生のクラスと合同で、元NHKアナウンサーの森 吉弘氏を講師にお招きし、インタビュートレーニングを行いました。舞台となる世界遺産への理解を深めるために、また課題の発見や解決策の仮説を立証するプロセスにおいて、世界遺産の関係者や地域の方々へのインタビューは非常に重要です。森氏曰く、アナウンサーの数ある仕事のうち、インタビューはもっとも難しい仕事の一つであるとのこと。90分の限られた時間の中、インタビューを行う際の心構えや、必要な事前準備、また、初心者でも活用できるインタビューでのテクニックなどについて、ご自身の経験を交えながら、わかりやすく解説いただきました。

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森氏の熱意あふれる講義に、学生たちは真剣に耳を傾け、メモを取っていました。

インタビュートレーニング終了後には、若松先生の助言のもと、学生が主体となったミーティングが行われました。ミーティングでは、これまでに実施した授業外活動の報告や、次回授業までの活動について話し合いが行われました。リーダー・記録・連絡・広報などの役割分担を決め、「水まつり」の活性化に向けた方策に関して、趣旨の確認、広報の仕方、イベントの内容、費用の問題など、活発な議論が交わされました。

学生たちは2回目の顔合わせにもかかわらず、すでに打ち解けあった様子で、非常に良い雰囲気のなか授業が行われました。

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第1回授業~上賀茂神社初訪問

4月18日(土)、上賀茂神社を舞台に活動する、京都産業大学の若松先生の授業がスタートしました。

午前中はキャンパスプラザ京都にて授業が行われました。若松先生からは、京都の世界遺産を活用したこの新しい授業を、大学を超えたゼミのような感じでやっていきたいとしたうえで、上賀茂神社の歴史や年中行事の説明、また、上賀茂神社と下鴨神社との関係などのレクチャーが行われました。受講生同士もアイスブレイク・自己紹介を通じて意気投合し、さっそくSNSを活用して連絡先の交換を行うなど、盛り上がりを見せていました。

午後からは、場所を上賀茂神社に移して授業が行われました。受講生全員で本殿に参拝した後、上賀茂神社の晴山権禰宜による案内のもと、境内の見学を行いました。見学では権禰宜から、有名な細殿前の立砂の伝承や、紫式部が通ったといわれている縁結びにゆかりのある片岡社の紹介、また、本科目のテーマである「賀茂の水まつり」の舞台となる「ならの小川」や「水まつり」の様子、水を司る龍神を祀った「新宮社」などについて、丁寧にご説明いただき、上賀茂神社の理解を深めました。

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今年は上賀茂神社にとっても式年遷宮が実施される重要な年です。神社の関係者の方からは、学生が参画することによって、地域の方も巻き込んだ例年以上に意義深い「水まつり」になればと、大きな期待が寄せられていました。

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仁和寺×立命館大学『政策科学特別実習1「京都の世界遺産 仁和寺」』


ここでは、仁和寺×立命館大学『政策科学特別実習1「京都の世界遺産仁和寺」』(担当:桜井政成先生)の授業の様子や受講生の活動をレポートしていきます。

仁和寺見学・調査計画

8月4日(月)、仁和寺を舞台に活動を展開する立命館大学の桜井先生の本格的な授業が仁和寺境内でスタートしました。
桜井先生の授業テーマは、地域活性化の一手法である「Asset-Based Community Development(アセット・ベースド・コミュニティ・ディベロップメント」(ABCD)を活用し、仁和寺の魅力・価値がグローバル・ローカルに高まり、新たな「ご縁」を生み出せる企画を実施する可能性を探ること。「ABCD」とは、地域に存在する資源をもとに地域を活性化し発展させることで、ここでの「資源」とは、その地域に存在する文化財や自然・景観などはもちろんのこと、その地域に存在する学校や病院や企業、また多様な地域住民や住民間のつながりなど、あらゆるもの地域活性・発展のためのものを「資源」ととらえます。
授業では、学生が1,100年以上の歴史を持つ仁和寺の「強み」を理解し、また、周辺に存在する学校や宿泊施設、店舗、交通機関等の地域資源を理解することで、新たな企画の提案を考えていきます。さらには、そのアイデアに基づいた試験的な取り組みを実現することも目指していきます。
授業初日の午前10時に仁和寺へ集合した学生たちは自己紹介を行い、桜井先生から授業概要やスケジュールの説明を受けた後、仁和寺の僧侶で財務部管財課の金崎義真課長ご案内のもと、境内の見学を行いました。
金崎課長からは、仁和寺の境内にある建造物や文化財についての紹介をはじめ、文化財を維持していくための工夫や苦労について、また、仁和寺に関する多様な観点から話題提供をいただきました。この日はとても暑かったのですが、金崎課長も丁寧にご説明頂き、また学生達も熱心にご案内を聞いていました。

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午後からは、桜井先生による「ABCDアプローチ」に関するレクチャーを受けた後、午前の見学や仁和寺からの話題提供をふまえ、「仁和寺の魅力、資源、興味深い点」について、模造紙とポストイットを用いたワークショップを行いました。わきあいあいとした雰囲気でワークは進み、学生からは、文化的価値、自然、土地、関連施設、地域住民の方など、多数の意見を出し合いました。また、次回の授業で行う発展的な調査に向けて、何を調査対象とするかについて話し合い、その結果、観光客を調査するチームと周辺施設・地域に調査するチームに分かれて調査を行うこととなりました。各チームは、それぞれに次回の調査計画を立てて、今回の授業は終了となりました。

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次回は9月17日〜18日に仁和寺での合宿授業を行い、翌19日には、合宿のまとめ作業とJR京都駅前での観光客調査を行う予定です。

醍醐寺×龍谷大学『コミュニティマネジメント特論:世界遺産と学ぶ課題発見・解決過程』


ここでは、醍醐寺×龍谷大学『コミュニティマネジメント特論:世界遺産と学ぶ課題発見・解決過程』(担当:笠井賢紀先生)の授業の様子や受講生の活動をレポートしていきます。

なお、笠井先生は本科目「コミュニティマネジメント特論」の特設Facebookページを開設されています。各回の詳細な授業レポート等も公開されておりますので、こちらもぜひご参照ください。
「コミュニティマネジメント特論」特設Facebookページ

醍醐寺万灯会への参加

8月5日(水)に実施された醍醐寺の万灯会には、取材や見学のため、ほぼ全員の受講生が参加しました。
万灯会は、灯籠や提燈を灯してお盆を控え各家の先祖の供養や命の尊さへ祈りをささげる、醍醐寺全山を挙げて行われる行事です。この行事には醍醐寺に縁のある方や地域住民の方が多く訪れます。

万灯会に参加した受講生は、地域と深いつながりを持った醍醐寺の一面を目に見る形で発見することができ、今後の調査活動に向けて参考になる貴重な時間を過ごしました。
また、この万灯会への参加に併せて「醍醐寺の外」を担当しているチームは、醍醐小学校の校長先生にインタビューを行いました。このインタビューは、事前に醍醐寺の職員の方を通じて校長先生にアポイントメントを取り、入念な準備のもと行われたものです。醍醐小学校の児童も灯篭を奉納するなど、毎年多くの児童が万灯会に参加しています。インタビューを通じて、醍醐寺と醍醐小学校とは、その歴史において深いつながりがあること、また、企業とも協力して東日本大震災の被災地の小学校への支援活動や被災地の小学校の児童との交流を行っていることなどがわかりました。

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受講生たちはインタビューを通じて、これまで発見できなかった醍醐寺の姿を発見し、課題解決につなげていきます。

合宿振り返り・夏休みに向けての活動計画

7月9日(木)、7月23日(木)には、合宿の振り返りと主に夏休み中の活動計画について授業が行われました。
笠井先生からは、醍醐寺や本科目での調査対象となる関係施設等への訪問時のアポイントメントの取り方や、「シビックプライド」(その街に暮らす方や関係のある方が、その街に対して感じる愛着)についてレクチャーが行われました。
今後の活動も3チームに分かれて行うことになり、それぞれのチームが「醍醐寺の中」、「醍醐寺の周縁」、「醍醐寺の外」を担当することになりました。「醍醐寺の中」を担当するチームは、醍醐寺の僧の方や職員の方、境内にある売店などの課題解決に取り組みます。「醍醐寺の周縁」を担当するチームは、醍醐寺と他団体が協力して実施している「てらこやプロジェクト」や「醍醐市(だいごいち)」について調査を行います。「醍醐寺の外」を担当するチームや、地域住民へのインタビューや、近隣の小中学校を通じて行っている醍醐寺の地域貢献の取り組みなどについて、調査を行います。

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早速、8月5日(水)に実施される醍醐寺の行事「万灯会」へ参加する計画を立てるなど、非常に積極的な姿勢が見受けられました。

合宿

6月20日(土)、21日(日)、醍醐寺で合宿授業を行いました。今回の合宿の目的は、「課題発見の糸口を見つける」こと。PBLは、”Project / Problem Based Learning”の略で、主にグループでの学習を通じて、課題を発見し、解決策を提案するスタイルの学習方法。この課題発見の方法については、予め、ある程度テーマを設定する場合もあるのですが、笠井先生の授業では、学生が醍醐寺の方と協同して、この合宿を通じて一から課題を発見することを目指しております。ですので、この合宿が実質的なスタートとなります。

合宿は6月20日(土)13:00スタート。醍醐寺で合宿授業を行うに当たって、また課題の発見のために、より深く醍醐寺についての理解を深めるため、「醍醐寺の状況と目指す方向」をテーマに、醍醐寺総務部長の仲田順英師による講義が行われた。仲田師からは、醍醐寺は開創以来、開祖の聖宝上人の「縁」、「自然」、「命」を重んじる心と、それらに対する感謝や祈りを大切にしており、これまでも室町時代の応仁の乱や明治維新の際の廃仏毀釈など数々の困難を、醍醐寺を信仰する人や地域の人々、時にはその時代の権力者との協力によって乗り越えてきており、現在もその「心」と「祈り」を基礎においた運営を行っていることについてお話いただきました。
続いて、笠井先生による講義が行われ、PBLでの学びについては、現場での学習だけでなく、座学や事前調査等による知識の蓄えも必要であること(現場での発見や気づきを課題解決につなげるためには、座学によって得られた知識や知恵による裏付けが必要であること)や、また、醍醐寺の礎となっている縁・自然・命を重んじる「心」や「祈り」を、常に念頭に置いて活動することの重要性についてお話がありました。

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その後は、学生と醍醐寺の関係者がグループに分かれ、アイスブレイクを行った後、醍醐寺関係者と一緒に醍醐寺を「まちあるき」を行い、夜には、醍醐寺の僧の方から、醍醐寺の文化財や地域社会との繋がりや貢献の在り方などについて講義を受けたりと、文字通り醍醐寺と一体になった授業が行われました。
また、この日の最後には、醍醐寺てらこやプロジェクトに携わる高橋稔氏から、ご自身が醍醐寺と協力して運営しているプロジェクトでのご経験やアドバイスについて、お話いただきました。
翌日には、グループで前日の活動で気づいた課題やアイデアを共有するブレーンストーミングを行い、その後、それらをグループ間で課題を共有しつつアイデアを拡大するワールドカフェを行い、最後に合宿の成果をグループごとに発表しました。

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写経法要や朝のお勤めにも参加するなど、非常に濃密な合宿授業を行った笠井先生のクラスの学生たちはどのような課題の糸口を見つけることができたのでしょうか。今回発見した課題の糸口を具体化しどのような解決策を提示するのか、これからの展開に要注目です。

合宿準備

6月11日(木)、第12回の授業が行われました。
笠井先生のクラスは、6月20日(土)から21日(日)にかけて、醍醐寺での合宿を行います。前回の6月4日(木)と今回の授業では、合宿に向けた準備を行いました。
毎回の授業と同様にチェックインに続いて、笠井先生から合宿での活動内容やスケジュール、留意点についての説明が行われました。
引き続き笠井先生が講義を行った後、学生たちは3つのグループに分かれ、合宿に向けての準備に取り掛かりました。

このグループでの活動は先週の授業から始まっており、合宿も同じメンバーで活動します。また、今回は醍醐寺から3名の方がお越しになられていましたので、それぞれグループに加わってワークに参加しました。
合宿では、アイスブレイクやまちあるき、課題に対するアイデア出しのブレーンストーミングといった活動を行いますが、それぞれの活動で具体的にどのようなことを取り組むかについては、先生ではなく各グループの学生が主体となって企画します。
このグループでワークを行うのは2度目ということもあって、非常に活発な議論が行われました。gasshukujunbi

合宿ではどのような課題を見つけることができるのか、プロジェクトは一つの大きな山場を迎えつつあります。

「まちあるき」体験

5月14日(水)、第7回の授業が行われました。笠井先生の授業では毎回、授業の最初と最後に「チェックイン」と「チェックアウト」を実施しています。学生が一人30秒ずつ、名前(あだ名)と「授業への意気込み」や「授業の振り返り」を話します。このチェックイン・チェックアウトには、仲間意識の醸成や、プレゼンテーションを行う際などの時間の感覚をつかむなどの効果があるようです。今回のチェックインは、「カタルタ」というカードを使って行いました。

今回の授業のメインは、「まちあるき」。
「まちあるき」とは、その名の通り街中を散策するのですが、ただ普通に歩くのではなく、何かを発見しようと意識しながら歩きます。今後の授業で醍醐寺を舞台に「まちあるき」を行うのですが、今回はそれ備えた予行演習で、京都駅周辺をまちあるきします。
まず笠井先生が、テーマを設定することの重要性や、発見するものが行政や地域等が意図的に目立たせているもの(史跡案内や観光案内図等)でなくてもよいこと、知識があるほうが多様な発見ができるなど、「まちあるき」のポイントについてレクチャーを行いました。その後、3名~4名でグループを作り、10分の作戦タイム。先ほどの先生のアドバイスをもとにガイドマップを見ながら歩く地域やテーマ設定、役割分担などを議論。


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そして、いよいよ40分間の「まちあるき」に出発です。
あるチームは、テーマを「街の雰囲気」と設定し、また「思いついたことは発言する」というルールを作り、京都駅の周りを一周。駅の東西南北での景観の違いや、それぞれで聞こえてくる音の特徴などを発見しました。終了後は、チーム毎にまちあるきの報告が行われ、実際にまちを散策してみて、テーマを持って歩くことで見えてくるものがたくさんあったこと、地元(京都)出身ではない学生ならではの発見もありました。

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学生たちには、今回の経験を生かして、醍醐寺での「まちあるき」で学生ならではの視点で醍醐寺や地域の資源となる新たな発見が生まれることを、期待しています。

第1回授業~醍醐寺初訪問

4月16日(水)、醍醐寺を舞台に活動する、龍谷大学の笠井先生の授業がスタートしました。この科目は、今年度開講する京都世界遺産PBL科目の中でも唯一の通年科目(4単位)で30回の授業が行わる京都世界遺産PBL科目の中でも最も授業回数が多い科目です。

今回は、授業の初回ということで年間の授業スケジュールの説明や、この科目で学ぶにあたっての姿勢などについて先生から説明が行われたあと、受講生同士による自己紹介が行われました。初回とは思えないほどの盛り上がりで、非常に和気あいあいとした雰囲気で授業が進められました。

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 18日(土)には、醍醐寺で第2回、第3回の授業が行われました。授業で初訪問となる醍醐寺では、まず、弥勒堂でのお勤めに参加しました。その後、醍醐寺の仲田順英師からのお言葉をいただき、醍醐寺の関係者にご案内いただき、境内の見学を行いました。授業終了後も受講生全員が自主的に境内を見学するなど、早くも醍醐寺への愛着が湧いているようでした。

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二条城×同志社大学『世界遺産PBL講座~O2Oマーケティングによる地域活性化』


ここでは、二条城×同志社大学『世界遺産PBL講座~O2Oマーケティングによる地域活性化』(担当:多田実先生)の授業の様子や受講生の活動をレポートしていきます。

二条城及びその周辺でのフィールドワーク

7月12日(日)の授業では、二条城とその周辺地域でのフィールドワーク及び、二条城の職員へのインタビューを行いました。
多田先生のクラスでは、調査、分析、クラウドファンディングの検討等のマーケティング戦略を担当する「チームM」が2グループ、SNS等を活用した広報戦略を担当する「チームA」、動画を制作し、YouTubeでの公開を目指す「チームY」の4チームで活動しております。今回のワークもこの4つのチームに分かれて活動しました。
当日は13時に集合し、まず、チームごとに1時間半ほど二条城周辺のフィールドワークを行いました。

チームAは、二条城に隣接する神泉苑を調査しました。神泉苑では、その歴史や文化財に関する調査、二条城との関係などを確認しました。
チームYでは、二条城の周りを調査し、周辺に小中学校があることから、周辺地域の児童・生徒に向けて、二条城の良さや興味を持ってもらうアプローチも効果的ではないかなどの意見が出ました。
チームMの2チームは、二条城周辺のお店の調査を行い、うち1チームは三条商店街を見てまわりました。三条商店街では、観光客よりも地元住民に重きを置いたお店が多いことなどの発見がありました。

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周辺地域でフィールドワークの後は、引き続きチームに分かれて、約90分間二条城内のフィールドワークを行いました。城内のフィールドワークでは、案内パンフレットは多言語対応している中で、設置されている立て看板は日本語のみのものが多く、これを多言語かすることによって、より二条城の魅力を伝えられるのではないかといった発見や、歴史的意義のある二条城に合うキャッチコピー考案の有用性など多くの発見や気づきがありました。

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フィールドワーク終了後は、京都市文化市民局元離宮二条城事務所の後藤玉樹課長にインタビューを行いました。インタビューでは、これまで二条城で行われてきたイベントや、文化財である故の制限事項や苦労などについて質問が行われました。また、具体的な企画案についても意見交換を行うなど、学生が主体となった活発なやり取りが行われました。

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今後は夏休みの自主活動を経て、提案の具体化を図っていきます。

ゲスト講師:河尻亨一氏による講義

河尻亨一氏(銀河ライター主宰/東北芸術工科大学客員教授)をゲスト講師に招いて、広告・プロモーションに関する講義が行われました。
河尻亨一氏は、広告クリエイティブ専門の編集者です。多田先生のクラスは、オンラインを活用したプロモーションによる二条城への観光客誘致やイベントの活性化をテーマにしているため、今後のプロモーションの企画を練るにあたって、非常に参考になる講義を行っていただきました。

河尻氏は、毎年、フランス・カンヌで開催される、広告、コミュニケーション、プロモーションに関するコンペティションの祭典「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」を取材されております。今年も6月下旬に開催され、そこでの取材された内容も交えて、昨今のプロモーションの潮流や、企画する際のヒントについてお話をいただきました。講義の中では、実際にカンヌライオンズの受賞作品を紹介しながら、その中でどのようにO2Oという手法が活用されているかなど、具体的な事例も交えた解説もありました。
河尻氏からは、O2Oを活用したプロモーションでは、「強い共感をもたらす、シンプルでかつ骨太なアイデアとストーリー」が重要であること、「O2Oはすでに日常生活に取り入れられている(「O=O」状態になっている)ので、それほど難しく考える必要がないこと」など、今後プロジェクトを進めていくうえでの重要な示唆もいただきました。

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河尻氏の講義のあとは、グループに分かれ、講義で感じたことや学んだことを共有して深め、グループごとに質疑応答が行われました。質疑応答では、「ゆるキャラ」の活用の是非などについての意見交換も行われました。

次回の7月12日(日)の授業では、二条城を訪れ、フィールドワークやインタビューに挑戦します。

 

二条城についての学習

6月11日(木)、二条城を舞台に活動を展開する同志社大学の多田先生の授業が行われました。多田先生のクラスの初回授業は、5月30日(土)の他クラスと合同の開講式・全体オリエンテーションだったため、単独で行う授業は今回が初めてでした。
多田先生の授業のテーマは、「O2Oマーケティングの手法から地域活性化の『仕掛け』を作り出す」こと。O2Oとは、Online to Offlineの略で、ソーシャルメディアなどオンライン上(Web上)でのプロモーションを活用して、それに関連する商品やサービスを販売・提供する実在の店舗等(オフライン)に消費者を誘導するマーケティング手法のことを指します。

二条城は、1603年の徳川家康による築城以来の20年間に渡る本格修理事業の真っ最中で、修理費用の一部を寄付や様々なイベント事業での収益で賄うことを目指しています。O2Oの手法を用いて、いかに二条城への関心を高めて来場者や各種イベントへの参加者を増やし、修理費に充てる収益を得ることができる提案を行うことが、本クラスが挑む課題の一つです。

今回の授業では、二条城についての理解を深めるため、元離宮二条城事務所の梅林課長を講師に迎え講義が行われました。梅林課長からは、二条城の歴史や場内にある文化財の紹介、国内外からの二条城の評価などご紹介いただいた後、二条城が取り組んでいる「世界遺産・二条城MICEプラン」ご説明いただきました。MICEとは、「Meeting」、「Incentive」、「Convention」、「Exhibition / Event」の頭文字からなる造語です。歴史的価値の高い世界遺産・二条城をMICEの会場として提供することで、二条城や京都の魅力や文化財の価値を広く発信し、併せて収益の獲得を目指しています。これまでに実施してきたイベントや、イベント実施に当たって生じる文化財であるがゆえの苦労などについてお話いただきました。

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講義の後は、4グループに分かれてグループワークを実施。講義の内容をグループで深めるとともに、梅林課長への質問事項やMICEの可能性についての意見交換等が行われました。

東寺×京都市立芸術大学『保存科学入門『東寺』絵巻を作る』


ここでは、東寺×京都市立芸大学『保存科学入門「東寺」絵巻を作る』(担当:宇野茂男先生)の授業の様子や受講生の活動をレポートしていきます。

東寺絵巻の制作

7月22日(水)、いよいよ絵巻の制作を開始しました。
これまでは、キャンパスプラザ京都や東寺で授業が行われていましたが、今回はアトリエのある京都市立芸術大学で行われました。授業では、最初に宇野先生より日本画で使う筆の種類やそれぞれの筆での描き方、墨や絵の具の使い方などのレクチャーが行われたあと、実際に絵巻の制作に入りました。

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東寺での調査やインタビューを重ねた結果、絵巻には「蓮華門」、「三鈷の松」、「五重塔」の3つをテーマに絵巻を描くことになりました。
受講生は3つのチームに分かれ、それぞれのテーマを担当します。チームは、京都市立芸術大学の学生と単位互換の他大学の学生がペアになっており、芸大生と単位互換の学生が協力しながら担当部分の絵を完成させていきます。
「蓮華門」では、弘法大師空海が東寺から高野山に旅立つためにその門を通った際に起こったとされる伝説を描きます。
「三鈷の松」では、弘法大師空海が唐に修行に行っていた際に、密教の繁栄を願って唐での砂浜で海に向かって投げた三鈷(密教の儀式で使われる仏具)が、雲を突き抜け海を渡り、帰国後、天皇より与えられた東寺の松に掛かっていたとされる伝説を描きます。
「五重塔」では、その1200年という長い歴史の中で焼失と再建が繰り返された五重塔の、焼失と再建の様子を描きます。
今回初めて日本画を制作する学生もいる中、チームで意見交換やデッサンの確認を行ったり、宇野先生にアドバイスを仰ぎながら作業が進められました。

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夏休み中は、学生は自主学習でそれぞれの担当の部分の制作を進め、9月上旬をめどに下絵を完成させ、その内容について東寺の関係者の方を打ち合わせを持つ予定です。

2回目の東寺インタビュー

6月10日(水)には、2度目の東寺でのインタビューに挑みました。授業での東寺訪問は、前回インタビューを行った5月13日(水)から1か月ぶりの訪問です。

本プロジェクトも後半に差し掛かっており、蓮華門や五重塔、空海上人など、絵巻に描く題材も固まってきました。今回は、絵巻のストーリー作りや実際に絵に描くために必要な情報(それぞれの史実やエピソード等)を収集するため、東寺に関する資料や文書等に詳しい東寺・文化財保護課の新見課長にインタビューを行いました。インタビューでは、トレーニングでの学習や前回の経験、また事前準備の成果もあってか、学生たちは活発に質問を行っていました。また、メインの題材だけではなく、それぞれのエピソードが発生した時代の東寺周辺の街並みや風景、季節感など、絵巻に描かれる細かい部分の確認といった芸術大学の学生ならではの質問もありました。

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また、学生たちが事前に調査してきた情報には、史実によるものと伝説的なものとが混じっておりましたが、史実とそうでないものを理解し、情報を整理したうえで、絵巻のストーリーを立てていくことが重要だというアドバイスもいただきました。

インタビュー・トレーニング~東寺でインタビューに挑戦

インタビュー・トレーニング

5月9日(土)は、上賀茂神社を舞台に授業を展開している京都産業大学の若松先生のクラスと合同で、元NHKアナウンサーの森 吉弘氏を講師にお招きし、インタビュートレーニングを行いました。舞台となる世界遺産への理解を深めるために、また課題の発見や解決策の仮説を立証するプロセスにおいて、世界遺産の関係者や地域の方々へのインタビューは非常に重要です。宇野先生のクラスは、翌週5月13日(水)の授業で、東寺でのインタビューを予定しています。
森氏曰く、アナウンサーの数ある仕事のうち、インタビューはもっとも難しい仕事の一つであるとのこと。90分の限られた時間の中、インタビューを行う際の心構えや、必要な事前準備、また、初心者でも活用できるインタビューでのテクニックなどについて、ご自身のご経験を交えながら、わかりやすく解説いただきました。
森氏の熱意あふれる講義に、学生たちは真剣に耳を傾け、メモを取っていました。

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インタビュートレーニング終了後には、次回の授業にむけて、トレーニングの内容を踏まえての作戦会議が行われました。インタビュー当日までに必要な準備の洗い出しや、当日の役割分担などについて話し合いました。
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東寺でのインタビュー

5月13日(水)には、絵巻に描く題材に関するヒントを得るために、東寺を訪れ、砂原総務部長にインタビューを行いました。東寺には1,200年の歴史があり、重要な文化財や国宝、また弘法大師をはじめとする東寺にゆかりある偉人のエピソードなど、題材になりうるものが多数あります。その中でどれを絵巻に描くのか、今回のインタビューでは、学生が事前に東寺について調査し、気になっていることや興味を持ったことについて砂原部長にインタビューを行い、知識を深めていきました。学生たちは、東寺にある門の名前の由来やそれぞれのルーツについて、仏像について、弘法大師の生涯について、弘法市など現在も残っている行事についてなど、多岐のテーマに関するインタビューを行いました。
インタビューを行った学生は、「聞きたかったことはある程度聞けたが、思っていた以上に多くの情報をいただき、まとめていくのが難しい。今回お話いただいたエピソードをまとめながら、絵巻に描く題材を絞っていきたい。」と話していました。

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インタビュー終了後は、前回の東寺訪問の際に見学できなかった場所を砂原部長の案内のもと、見学を行いました。

 

第1回授業~東寺初訪問

この授業は他の世界遺産PBL科目の先陣を切って、4月15日(水)にスタートしました。本科目のテーマは、「日本画の伝統表現を使い、後世に伝えたいオリジナルの記録を制作する」。そのテーマの通り、担当の宇野先生からは、絵巻などをはじめとする伝統的な日本画の特徴について説明が行われました。

現在の記録媒体は、写真の場合は色褪による劣化や、デジタル機器の場合は技術進歩により、レコードなど逆に再生できなくなるといったデメリットがある一方、伝統的な技術を以て作成された絵巻などは、素材の優れた性質により、数百年の時を経て鮮やかに現存している点、また『異時同図』や『誇張・擬人化』など独特の手法を用いて、当時の出来事を効果的にわかりやすく伝えられることができている点などが説明されました。

授業の後半では、芸術大学ならではの、学生がイラストを作成して自己紹介や授業に対する意気込み等の発表が行われました。

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4月22日(水)は実際に東寺を訪問し、東寺の砂原総務部長のご案内のもと境内の見学を行いました。1,200年の歴史を持つ東寺の貴重な文化財や、平安時代の書家で三蹟としても有名な小野道風ゆかりの柳とその逸話について丁寧にご説明いただき、学生にとっても非常に濃密な授業となりました。

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※窓口受付時間:火~土曜9:00~17:00(年末年始を除く)