2017年度

事業概要

大学コンソーシアム京都では、2001年に開講した「プラザカレッジ」において、京都学研究の研究成果を「京都学講座」として公開してきました。2009年度からは、京都市とともに大学の知の資源を地域に開放する生涯学習事業「京(みやこ)カレッジ」における京都力養成コースの一講座として、京都に関する様々な事象の中から毎年テーマを設定し実施しています。2017年度で17回目の開講となります。

kyoto-city_logo京都市協働事業

2017年度 京都学講座「その時京都が動いた~江戸から明治へ~」

開催概要
日本はその長い歴史の中で、幾度となく激動の時代を経験してきました。京都は長きにわたって都であったがゆえに、直接・間接に、常にその影響を受けてきたといえるでしょう。
本年度は、京都が大きく揺れ動いた歴史事象を取り上げます。特に織豊時代から明治初期にかけてのできごとは、その痕跡が現代までも残っていることが多いと思います。よって対象をその時代に限定し、京都の怒涛の歴史のありさまについて考えてみたいと思います。
日 程
2017年5月20日(土)~2018年1月20日(土) 各コースとも定員250名
【午前コース】 10:00~11:30 ( 受付 9:30~ )
【午後コース】 12:30~14:00 ( 受付 12:00~ )
2017年度は「午前コース」、「午後コース」の各定員を250名と多くしております。どちらかのコースにお申込みください。どちらも同じ講義内容です。各コースとも定員を超過した場合は抽選で受講の可否を決定します。また、出願後のコース変更、開講後の他コースの受講はできませんのでご注意ください。
※全10回基本講座+2回の実地講座(実地講座は時間、場所が異なります)
なお、2017年度京都学講座の開講にむけて、3月11日(土)に特別講座(要申込・入場無料)を実施します。 ※終了しました。
会 場
キャンパスプラザ京都 4階第2講義室
(京都市下京区西洞院通塩小路下る)
受 講 料
10,000円(基本講座10回)
※実地講座は別途費用が必要です。
内 容
大学コンソーシアム京都 京都力養成コース京都学講座 パンフレット 【PDF】

第1回 2017年5月20日(土) 「京都の変革期―中世・近世から近代への景観の変容~秀吉の都市改造・聚楽第城から藩邸の形成へ」

講師: 天野 太郎 氏  同志社女子大学 現代社会学部 教授

京都は中世・近世への秀吉の都市改造によって、その都市構造が大きく変化しました。それはまた、聚楽第城下町をはじめとする京都の変化でもありました。それらの変化について、近世に作成された「京大絵図」をはじめとする古地図類を中心にみていきながら、幕末から近代京都へと、都市構造がどのように変化し、新しい京都が生まれて行ったのか、そのうごきについてみていきます。

第2回 6月 3日(土) 「伏見「首都」計画~豊臣秀吉の政権中枢と社会構想」

講師: 梅林 秀行 氏  京都高低差崖会 崖長

豊臣政権の中枢として築かれた伏見城と城下町には、新たな社会のイメージが表現されていました。まさしく「首都」としての伏見のすがたです。ダイナミックな都市計画と地形改造がなされた伏見から、近世社会の出現を考えていきましょう。さらにその後の伏見がどのような変遷を遂げていったのか。「首都」から「交通都市」、そして「郊外」へと変遷するまちのすがたも読み解いていきます。

第3回 6月24日(土) 「二条城とは何か~家康と家光(秀忠)の視点を中心に」

講師: 後藤 玉樹 氏  京都市文化市民局元離宮二条城事務所 担当課長

二条城は、徳川家康が将軍補任に際して創建し、家光(秀忠)が寛永行幸に際して現在の姿に改めました。それぞれの趣旨や目的の違いが、どのように縄張りに反映されたのかを、今に残る資料を基に彼らの視点で考えます。また、二条城が果たした役割や、家康創建と考える二の丸御殿の価値や意義を、類例との比較を通じて明らかにします。

第4回 7月29日(土) 「徳川家康と知恩院」

講師: 今堀 太逸 氏  佛教大学 歴史学部 教授

家康が知恩院に大伽藍を造営し菩提所としたのは、先祖が知恩院住職として天皇の帰依を受け、浄土宗総本寺の地位を確立したことによります。①三河松平家と知恩院、②徳川三代将軍と知恩院、③徳川家の女性と知恩院、を考察することで、元禄10年、知恩院が法然上人に「円光大師」号を賜り、京の町の平和と繁栄を象徴する伽藍として隆盛する歴史を検討します。

第5回 9月2日(土) 「鴨川の改修と歓楽街の誕生」

講師: 吉越 昭久 氏  立命館大学 名誉教授

近世初頭、鴨川には初の本格的な堤防、「寛文新堤」が建設されました。その結果、鴨川周辺では川幅が狭くなったことに伴って河床が上昇し、洪水の被害が起きやすくなるなど、様々な 変化が引き起こされました。本来、河川の堤防は洪水防御を第一の目的に建設されものですが、そう考えると「寛文新堤」の構造には多くの矛盾がでてきます。「寛文新堤」の建設の謎を、 河川周辺の歓楽街の誕生という事実をもとにとらえてみます。

第6回 9月16日(土) 「禁門の変と幕末京都~戦災とその実態」

講師: 笹部 昌利 氏  京都産業大学 文化学部 助教

幕末京都は、まさに異常事態。文久3年8月におこった政変によって、中央政界から追い落とさ れる形になった長州藩毛利家による権威回復の流れのなかで、元治元年7月、幕府、在京大名家との間で交戦状況となりました。武家の理由でおこった戦乱によって、京の町は焼け野原になってしまいました。そのような戦災を民衆はどのように受け止めたのでしょうか。考えていきましょう。

第7回 10月14日(土) 「大政奉還とは何か」

講師: 青山 忠正 氏  佛教大学 歴史学部 教授

慶応3年(1867)10月14日、将軍徳川慶喜は、朝廷に対し、「政権を帰し奉り」とする上表を呈し、翌日、朝廷は天皇の名において、これを聴許しました。慶喜は、この時、何を返したのでしょうか。具体的な政治状況において、政権奉還によって、何がどう変化したのかを考えてみましょう。

第8回 11月18日(土) 「神仏分離~〈寺院〉と〈神社〉の明治維新」

講師: 青谷 美羽 氏  京都造形芸術大学 非常勤講師

政府が打ち出した神仏分離の政策は、京都のまちに数多く存在し、人々の支えとなった信仰の場のありようを一変させました。信仰の対象は〈神〉と〈仏〉いずれかに区別され、神のための場は〈神社〉、仏のための場は〈寺院〉であることが意識されるようになります。その過程でさまざまな摩擦や障害も生じました。本講座では延暦寺や八坂神社、修験道の本山である聖護院などの例を通じ、その時なにが起こったのかを明らかにしてゆきます。

第9回 12月9日(土) 「画家たちの明治維新」

講師: 田島 達也 氏  京都市立芸術大学 美術学部 教授

狩野派、土佐派、円山四条派など、多くの画家たちが活躍した江戸時代後期の京都画壇。その経済を支えていた宮廷、寺社、町人の状況は明治維新で一変します。天皇は東京に移り、寺院は荒廃し、産業は新時代への対応を模索する中、画家たちはどのように生き延びたのでしょうか。画家団体如雲社、工芸との関係、博覧会出品、画学校設立、東京進出などをキーワードに、竹内 栖鳳ら京都の日本画家が輝きを取り戻すまでの活動を追います。

第10回 1月20日(土) 「京都の学校事始め~学都京都の誕生 校舎の建築からみる」

講師: 川島 智生 氏  京都華頂大学 現代家政学部 教授

小学校から大学までの教育施設の誕生と展開、現在に至る過程を近代史ならびに校舎の建築をとおしてみていきます。その視点はプランやデザイン、設計した建築家、学区等地域との関係から解明したいと思います。取り上げる学校は番組小学校に加え、京大・龍谷・同志社・平安女学院・工芸繊維・大谷・旧市美術大などの現存する歴史的校舎を持つ高等教育施設、また鳥羽、鴨沂、日吉など中等教育施設をも対象としていきます。

実地講座

京都学講座では、講義形式の講座だけでなく、実際に現地で京都に触れる「実地講座」を取り入れています。今回の実地講座は次の通りです。
実地講座の参加は京カレッジ生(後述)へのお申し込みが必要です。申込方法は、京カレッジ生として基本講座10回に出願いただき、そのときにあわせて希望する実地講座に出願いただきます。応募多数の場合は抽選となりますのでご了承ください。

実地講座①  7月15日(土) 10:00~12:00(予定)(現地集合・解散) 「二条城探訪」 

定員50名(応募多数の場合は抽選) 参加費1,200円

解説: 松本 直子 氏  京都市文化市民局元離宮二条城事務所 学芸員
解説: 後藤 玉樹 氏  京都市文化市民局元離宮二条城事務所 担当課長

二条城二の丸御殿は、城郭御殿の建築と障壁画がともに遺されている貴重な文化財です。将軍の威光を示す空間はどのように作り出されているのか、御殿を実際に歩きながら体感していただきます。「展示・収蔵館」では重要文化財の障壁画原画を鑑賞し、また、今回特別に模写画を制作している現場を見学いただき、将軍の御殿を飾った狩野派障壁画の魅力を探ります。

実地講座②  12月2日(土) 13:00~16:30(予定) (現地集合・解散) 「歴史都市伏見の町と建築を歩く~濠川と酒蔵街を高低差からみる」  

定員45名(応募多数の場合は抽選) 参加費2,600円

解説: 川島 智生 氏  京都華頂大学 現代家政学部 教授
解説: 梅林 秀行 氏  京都高低差崖会 崖長

歴史都市伏見の町と建築を、高低差の観点から見つめ直します。月桂冠大倉記念館での講義と試飲(約1時間半)の後、昭和蔵と旧北蔵の間を濠川に沿って歩きます(約2時間)。北蔵や昭和蔵の敷地には江戸時代に各藩の屋敷があり、船着き場が引き込まれていました。その痕跡から、過去の地形がどのように受け継がれてきたのかを探ります。同時に戦前までに建設された酒蔵などの近代建築の魅力に触れていきます。

お申込み

※2017年度の受付は終了しました。

「その時京都が動いた~江戸から明治へ~」は10回の基本講座で構成されています。講座への参加は、京カレッジ生として全10回の講座に出願する方法が基本です。なお、2回の実地講座は京カレッジ生として受講可となった方のみお申し込みいただけます。

申込方法
京カレッジ生募集ガイド(3月7日発行予定)に添付の出願票でお申し込みください。【受付終了】
提出書類
①出願票1部 ※京都学講座用の出願票をお使いください。
②京カレッジ会員証用顔写真(縦3㎝×横3㎝)1枚
※募集ガイドに同封の「出願票提出確認シート」に添付してください。
受付期間
《郵送》2017年3月7日(火)~18日(土)必着
※持参する場合は3月17日(金)・18日(土)10:00~16:00で、キャンパスプラザ京都で受け付けます。
提 出 先
キャンパスプラザ京都内 大学コンソーシアム京都(京カレッジ担当) ※住所は「お問い合わせ先」参照
京カレッジリンク https://www.consortium.or.jp/project/sg/details
受講料の入金について
受講可否の結果通知を郵送する際に同封します振込用紙にて入金してください。
※大学コンソーシアム京都加盟校の正規学生(ただし、大学院・通信教育課程生等を除く)および放送大学京都学習センター全科履修生は基本講座の受講料は無料です。学生証のコピーを出願票に必ず添付してください。

【注記】
1.申込方法の詳細は京カレッジ生募集ガイドにてご確認ください。
2.定員を超過した場合は抽選により受講の可否を決定しますのでご了承ください。
3.受講可否の案内は4月中旬迄に郵送いたします。
4.受講の可否についてのお問い合わせはご遠慮ください。
5.一旦入金いただいた受講料は返金いたしませんのでご了承ください。

◆1回ごとの受講について

各講義1回ごとの受講はできません。
ただし、毎回25名を定員として、大学コンソーシアム京都加盟校の正規学生(ただし、大学院・通信教育課程生等を除く)および、 放送大学京都学習センター全科履修生は1回ごとの受講が可能です。
下記をご覧ください。

◆大学コンソーシアム京都加盟校の正規学生は1回毎の受講が可能です(無料・定員25名)

「加盟校正規学生」とは大学コンソーシアム京都加盟校の正規学生(ただし大学院・通信教育課程生等を除く)および放送大学京都学習センター全科履修生です。1回ごとの受講をする場合は、希望する講座(実地講座以外)の日時に直接会場へお越しの上、受付で必ず学生証を提示してください。受講料は無料です。定員25名を満たした場合等、受講をお断りする場合がありますので、ご了承ください。実地講座への参加は、京カレッジ生として基本講座に申込む必要がありますので、学生証のコピーを必ず添付して、左記の申込方法にて期間内に出願をしてください。

今年も特別講座を実施します

※終了しました。

2017年度京都学「その時京都が動いた」の開講にあたり、オープニング企画として特別講座を開講します。特別講座では、数々の歴史上の人物を演じられている俳優・画家の榎木孝明氏による講演と、佛教大学教授の八木透氏との対談を実施します。

2017年度京都学講座開講記念
特別講座 2017年 3月11日(土)

              「肚(はら)を失くした日本人」
               講師: 榎木 孝明 氏(俳優・画家)
              (対談) 八木 透  氏(佛教大学 歴史学部 教授)

明治維新は長い鎖国時代から日本が門戸を開放した正に文明開化でした。しかし、新しく西欧諸国から入った思想や文明と引き換えに、多くの日本精神文化が失われていったのも事実です。失くしてしまった肚文化とかつての日本人の身体能力は現代どうなってしまったのか。皆様に実際に古武術体験をしてもらいつつ、お話をしたいと思います。

時間: 13:30~15:00 (開場13:00)
会場: キャンパスプラザ京都 4階 第2講義室
定員: 250名(事前申込)※応募多数の場合は抽選
参加費: 無料

お問い合わせ先

公益財団法人大学コンソーシアム京都 京カレッジ(京都学講座)担当
〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下る キャンパスプラザ京都1階
TEL.075-353-9140 FAX.075-353-9121
MAIL:miyakare■consortium.or.jp(■を@に変更して送信してください)
※お問い合わせ受付時間:火~土曜9:00~17:00(年末年始を除く)

事業内容について

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